最初のバイクは何にする?
大型自動二輪の免許が教習所で取れるようになってから久しいですが、かつて試験場での一発試験で限定解除しなければいけなかった時代から比べると取得するハードルはかなり下がったようです。
私はその時代を知りませんし、大型自動二輪の免許を教習所で取ったので当時の一発試験大変さはわかりません。
ただ、原付から普通二輪、大型自動二輪とステップアップしてきたタイプでのライダーではあります。
今回は、初心者が大型自動二輪の免許を取得していきなり大型バイクを購入することは危険なのか?あるいは問題がないのか?に焦点を当ててみます。
自分の好きなバイクに乗りましょう。
正直にいってしまうとこれしかありません。実技、学科双方の試験に合格して大型自動二輪免許を交付されたのであればそれはもう公道において原付からリッターオーバー、極端な例だとボスホスの8200ccモデルも乗れる資格があることになります。ですから自分の気に入ったバイクに乗ればいいのです。
しかし、それでは初心者がいきなり大型バイクの乗るのは危険なのか?という疑問残るので、小排気量からステップアップしていく場合と、最初から大型バイクに乗る場合を比較してみようと思います。
小排気量からステップしていくパターン
私のメインバイクは、50㏄→250㏄→750㏄→1300とステップアップしていきました。(二台目以降複数台持ちなので125㏄や400㏄クラスも所有していました)のでどちらかといえばこっち派の人間ではあります。
ステップアップしていく場合のメリット
・初心者にありがちな失敗を比較的被害が軽く済む小排気量で経験できる。
免許を取得したとはいえ初心者のうちは運転技術が低かったり、バイクを乗る上での技術面、体力面での限界を把握していなかったりで走行中の転倒や立ちごけなどといった失敗をすることも十分に考えられます。もちろん失敗しないに越したことはありませんし、上級者だから大丈夫というわけではありませんが初心者のほうがちょっとしたことが転倒や事故につながりやすいということです。
車体が小さく軽く、エンジン出力の低い小排気量車であれば不意な挙動の変化にも対応し易いですし万が一転倒した際にも比較的ダメージは小さい傾向にあります。
※ただしこれは車重が重くパワーのある大型バイクと比較した場合の話であり小排気量でも大きな事故につながる危険性はあります。(わかっているとは思いますが念の為。)
・いろいろなバイク乗れる
これはあくまで結果論的な話ですが、大型バイクを最初に買ってからあとから小排気量モデルに乗り換えたり増車したりって選択肢もあるんでなんとも言い難い部分ではあります。しかし、大型バイクに行き着く前に色々なバイクに乗っておくことで経験として知識や技術の引き出しを増やしておくことはオススメです。
ステップアップしていく場合のデメリット
・すでに乗りたい大型バイクがある場合遠回りになる
私の場合は将来的に大型バイクに乗りたいとは思いつつも最初は小排気量で十分と考えていたので結果的に原付から順にステップアップしていく形になりましたが、すでに乗りたい大型バイクがあるのであれば、その前に原付や中型を挟んで…というのは時間的にも金銭的にも費やすリソースは大きくなります。それを経験を積むと捉えるか遠回りと捉えるかの違いと言えばそれまでですが。
最初から大型バイク(乗りたいバイク)に乗るパターン
私自身は原付から段階的に大きな排気量のバイクに乗り換えて来ましたが、実のところもっと早くに隼を購入して置いてもよかったのでは?と思うこともあります。
最初から大型バイクに乗るメリット
・憧れのバイクに最短で乗れる
小排気量からステップしていく場合のデメリットの反対ですね、大型バイクは運転に高い技術が必要になるのでできればある程度小排気量で経験を積んでから乗り換えるのが理想だと私は思ってはいるのですが、早い段階で欲しいバイクを手に入れて慣れるって考えも一理あるんですよね。
あれやこれやと乗り換えて気がついたら体力的に大型バイクに乗るには厳しい年齢になっていた、とか家庭を持ってバイクに乗る時間やお金も制限されて乗れず仕舞いなんてパターンも見てきました。
ですから、乗りたいバイクに一直線という選択肢も間違いではないと思います。
最初から大型バイクに乗るデメリット
・扱いきれなかった時の代償が大きい
これは初心者がいきなり大型バイクに乗るのは危険だと言われる最大の理由でしょう。運転免許が普通自動二輪と大型自動二輪で別れていることからもわかるように排気量の大きいバイクほどエンジン出力が高く、車体も大きく重くなる傾向にあります。それはそのまま扱いの難しさに繋がります。また、万が一転倒したり事故ったりした場合には車重が重くスピードの出やすい大型バイクの方が被害が大きくなりやすいです。(運動エネルギーは物体の質量と速さの二乗に比例します。)
また修理の際も大型バイクの方が部品一つ一つが高価なので修理代も高くつきます。
結局のところ本人次第
双方のメリットデメリットを考えてもどちらの考えも理に叶ってる部分があるんですよね。
初めは小さくて非力なバイクから慣らした方が後で大きな失敗しなくて済むぞというのもわかりますし、乗りたいバイクがあるのならささっと買ってしまって早くそのバイクに慣れた方がいいって言うのも理解はできます。それを踏まえた上で以下に私の考えを述べます。
事故を起こすのはバイクではなく、運転する人間なんですよ。
大型に限らずバイクが危ない乗り物であることは間違いないんですよね、バイクに限らず道具のなかには取扱を間違えると重大な事故に繋がるモノってたくさんあります。だから使用するのに免許が必要だったり、法律で規制が掛けられたりしてるんですよね。
自分の限界を把握してそこを超えるな
話をバイクに戻しますと、自分の限界を見極めてそれを超えないことです。初心者がなぜ危ないのか、それは単純に経験が浅い分運転技術が低いと言う部分もありますが、それ以上に自分の限界を把握しきれていないことが原因だと思うんですよね。運転の上手い下手はともかく、ある程度バイク歴の長いライダーであれば、感覚的に自分の限界を把握しているので「これ以上のペースは危険」とか「1日で走れる
距離は〇〇〇kmが限度」といった判断ができるようになってきます。経験が浅いうちはこの辺りの判断を誤り易いのです。
最初のうちはとにかく無理をせずに徐々にバイクに慣れて自分の限界とバイクの特性を把握していきましょう。それが出来ずに無理をして事故やトラブルを起こしてしまう人も少なくないので、初心者がいきなり大型は危ないと言われるのです。
まとめ
私の考えは一通り書けたと思うのでまとめに入りたいと思います。
結論から言わせていただくと大型でもなんでも好きなバイクに乗れと言うことです。ただしこれに付け加えて「自分の限界とバイクの特性を把握して無理はするな。」と言うことです。
大型自動二輪の免許を取得できたと言うことは、公道で大型バイクを運転するのに必要なスキルがあると国に認められていることは事実ですので、好きなバイクを選べばいいのです。
しかし、自分の技術に不安がある、だとか調子に乗って無理をしてしまいそうだと思うのであれば250ccといった小排気量クラスから乗り始めるのも良いでしょうし、逆に自分は無理をしないので最初から大型バイクに乗りその特性を少しでも早く理解して乗りこなして行きたいと言うのであればそれはそれで好きなバイクを選ぶのが正解でしょう。
自分の技量や体力的、経済的な余裕なども考えつつもどんなバイクを購入するのか悩むのも楽しいかも知れません。
今回は以上となります。ありがとうございました。