エンジンオイルはバイクの血液!定期的な交換で新鮮な状態を維持しましょう。
前回、WR250Xのオイル交換をしましたが、今回は隼のオイル交換を行いました、その手順について書いてみようと思います。
エンジンオイルには、潤滑、冷却、洗浄、防錆、防腐などさまざまな作用があります。
人間に例えると、体内の酸素や栄養素、老廃物などを運搬する、血液のようなものです。
エンジンオイルが劣化していたり、量が減っているとオイルの作用が十分に得られずエンジンの故障や寿命を縮める原因となります。
作業をご自分で行う際は自己責任でお願いします。
今回はオイル交換を自分で交換する方法をご紹介しますが、
自分でやる自信がない、知識がない、工具を持っていない。
といった方は、プロの整備士さんのいるお店で作業をしてもらうことをお勧めします。
この方法を試したことによって起きた事故、トラブルについて当方は一切の責任は負いませんので、自己責任でお願いいたします。
DIYはその作業が苦にならない人、作業を楽しめる物好きがわざわざ自分で道具を揃えてやるものです。
そういった行為をすることに興味や自信を持てない方は、工賃という形でプロの技術と安心を買うのが賢い選択だと私は考えます。
今回作業する車両はHAYABUSA1300
今回作業をした私の隼は購入から2年半、走行距離はおよそ6700マイル(10720km)です。
オイル交換の目安は3000km〜5000km毎または半年毎と言われることが多いですが、私の隼は1000マイル(約1600km)毎に行っています。
私の隼は、ロングツーリツングにはほとんど使わずに、100km〜200kmほどワインディングロードををメインに走ることが多いです。
年間走行距離がそれほど長くないので、短い距離で早めに交換しています。
オイルもレッドバロンのオイルリザーブまたはAZの全化学合成油と低価格帯のオイルを使用しているので安いオイルをこまめに換えるスタイルです。
年間走行距離が短いことと、排気量の大きい隼は、高回転を使う機会があまりないことなどから、コスパのいい低価格帯の全科学合成オイルを短い距離で交換するスタイルに落ち着きました。
年間走行距離が長いツーリングメインの方であれば3000km毎でも大丈夫だと思います。
高回転まで多用するような乗り方の方であれば、もっと高級なオイルを使ったほうが良いでしょう。
そのあたりは、ご自身の乗り方や経済事情で変わってくると思うので、自分の納得できるやり方を見つけましょう。
オイル交換の方法
この記事ではオイルフィルターの交換についても書いてありますが、オイルのみの交換であればその手順は必要ありません。
今回の作業では、エンジンオイルの量を確認する際に、車体を水平にするために、メンテナンススタンドを使用します。
メンテナンススタンドの使い方はこちらの記事に書いてあるので、併せて読んでいただければと思います。
準備するもの
・エンジンオイル
まずは交換するエンジンオイルを用意しましょう。
隼のオイル交換で使用するオイルの量はオイルのみ交換で3100ml、オイルフィルターまで交換で3300mlです。
エンジンオイルは純正をはじめ様々な銘柄がありますが、私はAZというブランドのオイルを使用しています。
こちらのエンジンオイルは全て全化学合成ですがリーズナブルな価格で提供されているので
私のように高い頻度でどんどん交換してしまうユーザーにはありがたいです。
隼、WRともMEC-18というサーキット走行にも対応しているグレードを使用しています。
若干劣化が早い気がしますが、20ℓで18000円ほどで買えるオイルなのでこまめに交換してしまえば問題ないです。
隼に使用する場合、ロングツーリングやサーキットでのスポーツ走行などハードな使い方をする場合は、それぞれの用途に適した高級オイルを使用したほうがいいかもしれません。
AZ MEC-18を見る
・ドレンワッシャー
オイル交換をする際には、必ずドレンボルトについているワッシャーを交換します。
一度使用したドレンワッシャーは形が変形しているので、再利用してしまうと、漏れの原因になってしまうこともあります。
スズキ純正のドレンワッシャーはドレンボルトに噛み込んで外しにくいので、デイトナのM14ものを使用しています。
このドレンワッシャーを使用していてオイル漏れを起こしたことはないので、大丈夫だとは思いますが、ご使用は自己責任でお願いいたします。
デイトナ ドレンワッシャー M14 を見る
・オイルフィルター
エンジンオイル内の不純物を取り除くオイルフィルター、こちらも使用していくうちに詰まってくるので、定期的に交換しましょう。
目安としてはオイル交換2〜3回に1回ほどでいいと思います。
オイルフィルターを見る
・オイルジョッキ
オイルをエンジンに注入する際に必要です。蓋やメモリが付いたものが便利です。
隼であれば4リットルのものが良いでしょう。
今回の作業では2リットルのものを使用しましたが、少々不便でした。
ゴミの入りにくい蓋つきが便利です。
オイルジョッキを見る
・廃油トレー
古いオイルを抜く際に車体の下に置く受け皿です。
廃油処理にオイルパックを使用する場合は、オイルパックで代用しても良いでしょう。
廃油トレーを見る
・オイルパック
オイルパックを使えば廃油を燃えるゴミとして処分できます。
※ごみの処分の仕方については、自治体ごとに決まりがあるので、事前に確認しておきましょう。
オイルパックを見る
・トルクレンチ
隼のオイルドレンボルトの締め付けトルクは23N・m、オイルフィルターは20N・mなので、適したものを用意しましょう。
・オイルフィルターレンチ
オイルフィルターの脱着に使います。隼のオイルフィルターに適合したものを用意しましょう。
オイルフィルターレンチを見る
・メンテナンススタンド前後
車体を水平にしてオイル量を確認するときに使います。
リアだけだと、車体が前傾して、オイル窓から正しい量が見れないので前後で使用しましょう。
・脱着するボルトやトルクレンチにあったソケット、レンチ類
隼のオイルドレンボルトは17ミリなので対応したサイズを使用しましょう。
また、カウル類の脱着には六角が必要です。
カウルの脱着方法については、次の機会に別記事に書く予定なので今回は割愛します。
・汚れを落とすためのパーツクリーナー、ペーパーウエス
ドレンボルトの洗浄やその他よごれを落とすのにあると便利です。
パーツクリーナーを見る
ペーパーウエスを見る
作業手順
1.エンジンの暖機運転
まずはエンジンを数分間アイドリングさせてください。
暖機運転である程度、エンジンオイルを温めておくと柔らかくなり抜きやすくなります。
あまり暖めすぎても、火傷をしてしまう恐れがあるので、3分程度で良いと思います。
特にマフラー、エキゾーストパイプなど排気系は熱くなるので気をつけてください。
2.エンジンオイルを抜く
エンジンが暖まったら車体の下に廃油トレーを置き、オイルフィラーキャップを外してから
車体底部のオイルドレンボルトを外し、エンジンオイルを抜いてください。
3.ドレンワッシャーを交換してドレンボルトを取り付ける
ドレンボルトについていたドレンワッシャーを新品に交換して、ドレンボルトを締め付けてください。
この時にドレンボルトをパーツクリーナーとペーパーウエスで綺麗に洗浄しましょう。
締め付けトルクは23N・mです。
スズキ純正のドレンワッシャーの場合、ドレンボルトに噛み込んで外しにくいので、
ニッパーで破壊するなどして外しますが、怪我をしないようにご注意ください。
4.アンダーカウルを取り外す
オイルフィルターにアクセスするために、右側のアンダーカウルを外してください。
隼のカウルは、六角ネジやグロメット、爪で固定されています。
破損、紛失しないように注意しながら外してください。
5.オイルフィルターの取り外し
オイルフィルターにオイルフィルターレンチをかけて、レンチで回して外します。
このとき、フィルター内のオイルが溢れるので、廃油トレーを車体下部に置くのを忘れないようにしてください。
6.オイルフィルターの取り付け
古いオイルフィルターが外れたら、新しいオイルフィルターを取り付けてます。
このとき、新しいオイルフィルターの口にオイルを軽く塗布してください。
締め付けトルクは20N・mです。
※私が持っているトルクレンチでは、エキパイとエンジンの間の狭いスペースに入らないので、
手締めで回せるところまで回してから最後に、レンチで軽く増し締めしています。
レンチで強く締め付けてしまうとオイルフィルターが変形し、オイルが漏れる原因になるので気をつけましょう。
7.エンジンオイルをエンジンに注入
オイルジョッキにエンジンオイルを入れエンジンに注入します。
必要なオイル量はオイル交換のみの場合に3100ml、オイルフィルター交換時に3300mlです。
しかし、エンジン内部に抜け切らなかったオイルが残っていると入れすぎてしまう場合があるので、
オイル窓をみながら少しずつ入れていきましょう。HとLの線の間にあればOKです。
オイル窓を見るときは、メンテナンススタンドなどを使い、車体を水平に保ちましょう。
サイドスタンドで左側に車体が傾いていると、オイル窓にオイルが降りてこないので入れすぎてしまいます。
入れすぎてしまうと抜くのが大変なので気をつけましょう。
オイルを入れ終わったら、オイルフィラーキャップを取り付けてください、こちらは手締めで大丈夫です。
8.エンジンを暖機運転後車体を水平にしてオイル量を確認。
エンジンオイルを入れ終わったらエンジンを始動し、
数分間(2〜3分でいいと思います。)アイドリングさせてから再度オイル窓でオイル量をチェックしてください。
エンジンオイルが循環し、細部まで行き届くと実はオイルが足りていなかったということもあります。
その場合は足してください。
9.古いオイルはオイルパックに入れて燃えるゴミに
交換で抜いた古いオイルの処分はオイルパックに捨てて燃えるゴミに出せばOKですが、ペール缶などに入れて保管しておいて
ある程度溜まったら、ガソリンスタンドやバイク用品店などで回収してもらうのも手です。
その場合は近所の店舗に問い合わせてみると良いでしょう。
最後に
今回は隼のオイル交換について書きました。
隼のようなフルカウル車はカウルの脱着が必要なので、そこが面倒ですが、基本的にはWRとやり方は変わりません。
次回アンダーカウルを外す際は、カウルの外し方を解説した記事を書いてみたいと思います。
今回は以上です、ありがとうございました。